
爪が緑色になってしまって、ネイルサロンに行けない…。
爪が緑色に変色したら、「グリーンネイル」の可能性があります。
グリーンネイルは、軽度なら放置しても問題ないのでしょうか。
この記事では、グリーンネイルは伸びたら治るのかを解説します。
治療法や予防法についても解説するため、グリーンネイルに心当たりがある方はぜひ参考にしてください。
グリーンネイルとは

グリーンネイルとは、緑膿菌(りょくのうきん)などの細菌に感染することで爪が緑色に変色する病気です。
見た目からカビと勘違いする方もいますが、カビとは別物です。
緑膿菌が排出する色素が緑色なので、感染して増殖すると爪が緑色に変色します。
緑膿菌はどこにでもある「常在菌」なので、誰でも感染してグリーンネイルになる可能性があります。
梅雨時や爪を不衛生にしているとグリーンネイルになりやすいため、くれぐれも注意してください。
グリーンネイルの初期症状

グリーンネイルの初期症状はほとんどなく、爪がうっすらと緑色の変色するだけです。
痛みなどもないため、マニキュアやジェルネイルをオフして爪の異変に気が付く方が多いでしょう。
グリーンネイルが進行していくと、爪の色が濃い緑色に変化していきます。
さらに放置すると爪の色が黒ずんでしまい、ここまでくると重症度が高いといえます。
グリーンネイルの主な原因5つ

グリーンネイルの原因は、緑膿菌が増殖することです。
どのような原因で緑膿菌が増殖するのかを解説します。
ジェルネイルやスカルプチュア
緑膿菌が増殖する1つ目の原因は、ジェルネイルやスカルプチュアです。
ジェルネイルやスカルプチュアを長期間オフしなかったり、施術が甘かったりすると、隙間から水分が入る可能性があります。
緑膿菌は湿度が高い環境を好むため、自爪とネイルのすき間が恰好の棲み処になってしまいます。
手汗をかきやすい体質
緑膿菌が増殖する2つ目の原因は、手汗をかきやすい体質です。
解説したように緑膿菌は湿度が高い環境を好むため、汗で手指が濡れている状態が続くと、緑膿菌が増殖しやすくなります。
手汗をかきやすい方は、タオルなどでこまめに手指を拭くことを心掛けましょう。
免疫力の低下
緑膿菌が増殖する3つ目の原因は、免疫力の低下です。
緑膿菌はありふれた菌なので、誰もが日常的に接している可能性があります。
しかし、免疫力があれば緑膿菌に打ち勝てることが多いため問題ありません。
- 病気や感染症
- ストレス
- 疲労
- 加齢 など
上記のような原因で免疫力が低下していると、緑膿菌に感染・増殖しやすくなるため注意しましょう。
爪のお手入れ不足
緑膿菌が増殖する4つ目の原因は、爪のお手入れ不足です。
緑膿菌はありふれた菌なので、通常は増殖することはありません。
しかし、爪が著しく不衛生な状態になっていると、緑膿菌が増殖してグリーンネイルになることがあります。
とくにネイルを施しているときは、爪が不衛生になりやすいため注意しましょう。
爪の疾患
緑膿菌が増殖する4つ目の原因は、爪の疾患です。
とくに爪の先が浮き上がる「爪甲剥離症」を患っている方は、緑膿菌にも感染しやすいといわれています。
爪カンジダ症や爪白癬を発症している方も要注意です。
グリーンネイルは伸びたら治る?自然治癒するケース

「グリーンネイルは伸びたら治るのか」という疑問を持っている方もいるでしょう。
結論からいうと、グリーンネイルが伸びたら治るかはケースバイケースです。
基本的にグリーンネイルは一度感染したら自然治癒はしません。
しかし、ごく軽度のものであれば、緑色の部分を削り落とせばそれ以上広がらないケースがあります。
そういう意味では、グリーンネイルが伸びたら自然治癒するといってもよいでしょう。
ただし、爪の表面だけでなく奥まで菌が浸透しているケースがあり、その場合は爪を削っても治りません。
グリーンネイルの治療法【重症度別】

一口にグリーンネイルといっても治療法はさまざまです。
グリーンネイルの治療法を重症度別に紹介します。
【軽度】グリーンネイルの治療法
グリーンネイルが軽度の場合は、爪表面をサンディングして緑色の部分を削り落とす方法があります。
爪のごく表面のみがうっすらと緑色になっている
ただし、サンディングに使用した道具は菌が付着しているため、取り扱いには注意してください。
サロンでは感染拡大を防ぐために断られる可能性があるため、事前確認をしましょう。

医療機関を受診したほうが確実です。
【中度】グリーンネイルの治療法
グリーンネイルが中度の場合は、ネイルはすべて除去したうえで消毒し、爪が生え変わるまでネイルは休む必要があります。
サンディングしても変色部を除去できない
医療機関を受診すると、飲み薬や塗り薬が処方されます。
治療中も緑膿菌は繁殖するため、調理時にはビニール手袋を装着するなど二次感染を予防しましょう。
【重度】グリーンネイルの治療法
グリーンネイルが重度の場合は、すぐに医療機関を受診してください。
爪が濃い緑色もしくは黒く変色している
重度のグリーンネイルになると完治まで時間がかかるだけでなく、他の爪の病気になるリスクも高まります。
治療法は中度とほぼ同じですが、一刻を争うため早めに医療機関を受診しましょう。
グリーンネイルの治療期間は2週間程度

グリーンネイルで医療機関を受診した場合、重症度にもよりますが治療期間の目安は約2週間となります。
グリーンネイル治療方法は、患部を乾燥させて抗カンジダの外用薬を塗布する方法が一般的です。
緑色の部分を削り落とす、もしくは症状が落ち着いて、きれいな爪に戻れば治療は完了となります。
ただし、完治までにはもう少し時間がかかります。
爪が伸びる速度は1ヶ月で3〜4mm、足の場合は2mmほどです。
そのため、爪の根元にグリーンネイルができたときには、緑色の部分がなくなるまでは3ヶ月から1年程度かかる可能性があります。
グリーンネイルの予防法5つ

グリーンネイルは日頃のケアや心掛けで予防できます。
グリーンネイルの予防法を5つ紹介するので、ぜひ実践してみてください。
ネイルの手入れを怠らない
ジェルやスカルプなどのネイルをしていると緑膿菌が増殖しやすいため、ネイルの手入れを怠らないようにしましょう。
ジェルネイルは施術後3〜4週間でオフするのが一般的ですが、ネイルがリフトしてきたらすぐにオフするようにしましょう。
ネイルがリフトすると、自爪とネイルの間に水分が入り込み、緑膿菌があっという間に増殖してしまいます。
忙しくてネイルサロンに行けない場合は、セルフでオフするのも1つの手です。
衛生的なネイルサロンを選ぶ
グリーンネイルに感染するリスクを下げるために、衛生的なネイルサロンを選びましょう。
緑膿菌はどこにでも存在する常在菌なので、過剰に心配する必要はありません。
ただし、著しく不衛生なネイルサロンでは緑膿菌が増殖していて、感染リスクが高まる可能性がります。
残念ながら、使用する道具を消毒しているか否かは確かめようがありません。
ネイリストの言動や店内の様子から「衛生面に注意しているか」を推測するか、ネイルサロン衛生管理士が在籍するネイルサロンを選ぶとよいでしょう。
セルフネイルは道具を衛生的に保つ
セルフネイルをしている方は、使用している道具を衛生的に保つ必要があります。
道具のケアを怠ると、緑膿菌をはじめとした菌が増殖しやすいためです。
セルフネイルの道具は、使用前と使用後にアルコールなどで消毒しましょう。
手指をよく拭く
水仕事や手洗い後は、手指の水分をよく拭き取るようにしましょう。
緑膿菌は湿気の多い場所を好むため、手指に水分が残っていると格好の棲み処となります。
長時間水仕事をするときは、ビニール袋を装着するのも1つの手です。
規則正しい生活を送る
免疫力を下げないように、普段から規則正しい生活を心がけましょう。
睡眠時間をしっかりと確保し、栄養バランスの取れた食事を意識してみてください。
また、ストレスも免疫力を下げる1つの要因です。
現代社会でストレスを抱えずに生きることは難しいため、なるべくストレスの少ない環境を選び、ストレスが溜まっても上手に発散する工夫をしましょう。
グリーンネイルに関するよくある質問

最後にグリーンネイルに関するよくある質問に回答します。
グリーンネイルになったらマニキュアやジェルネイルは諦めるべき?
グリーンネイルになったら、マニキュアやジェルネイルは一旦中止してください。
軽度の場合は表面をサンディングしてネイルをすることも可能ですが、念のために少し休んだほうがよいでしょう。
グリーンネイルになりやすい季節は?
グリーンネイルになりやすい季節は、ズバリ梅雨時です。
緑膿菌は湿度の高い環境を好みます。
梅雨は雨や曇りで湿度が高い日が多いため、緑膿菌をはじめとした菌が増殖しやすくなっています。
グリーンネイルの市販薬はあるの?
グリーンネイル用の飲み薬は市販されていません。
塗り薬もグリーンネイル専用のものはありませんが、抗菌作用のある爪水虫用の薬で対応できることがあります。
ただし、爪水虫とグリーンネイルは別の疾患なので、適切な対処法とはいえません。
できる限り医療機関を受診し、専用の薬を処方してもらいましょう。
グリーンネイルは伸びたら治るケースもある!ただし、医療機関を受診したほうが確実
軽度のグリーンネイルであれば、緑色の部分を削り取れば完治するケースもあります。
ただし、爪の奥まで菌が浸透している可能性があるため、医療機関を受診したほうが安心です。
普段から手指やネイル道具を清潔に保ち、グリーンネイルにならないように心掛けましょう。